依頼までの手順FLOW

まずは法律相談から

弁護士の仕事というのは、本当に種々雑多なものがあります。まずは、法律相談が皆さまとかかわることになる入り口です。ここでは本当にいろんな相談があります。弁護士の事務所というと敷居が高いというイメージがありますので、「あんまり変な相談を持っていっては弁護士に怒られやしないか」と思われている方が多いのだろうと思います。身近な友達で弁護士がいるという人であればすぐ相談できるのでしょうが、なかなか弁護士の数が少ないうえに、怖いイメージがあるでしょうから、事務所の門を叩きにくいのでしょう。 私は時々、高校生の授業で模擬裁判をやると聞くと、おもしろそうだと思って参加しに行くのですが、彼らの弁護士に対するイメージは、聞いていてただ恥ずかしくなることばかりで、実際に会ってみると「な~んだ、普通の気さくな人じゃないですか」なんてことをよく言われます。

世の中の出来事は必ずといっていいほど法律が絡みます。ちょっとデパートへ行って買い物をしても売買契約を結ぶわけですし、カードで買い物をしようとすれば割賦販売契約、立替払い契約と法律が絡むのです。電車に乗ったって運送契約が切符を買うことで結ばれるわけですし、テレビを観たって受信契約をしているわけです。道を歩いているだけでも、道路交通法が絡みます。彼氏にひどい振られ方をすれば、場合によっては不法行為となって慰謝料を請求できる場合もあるわけですし、……例を挙げればキリがありません。「ちょっと困ったなぁ」「何かおかしいぞ」と思うときは、たいてい放っておくと後でとばっちりを食うことが良くあるものです。何でも相談してください。どんな内容でも親身に話を聞きますので。

相談料も、30分5,000円(消費税別)ということで、そんなに高いわけではありません。「法律事務所に入ったら、暴力バーのように身ぐるみはがされるんじゃないか」という冗談めいた本気の心配(笑)をよく聞きます。この点は、明朗会計ですのでご安心ください。なお、相談に来られるときには、あらかじめ電話で予約をしてください。弁護士は裁判だ、交渉だ、接見だと事務所を留守にすることが多く、いきなり訪ねられても応対できずに無駄足になってしまいますので。

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弁護士との委任契約

民事事件の場合

さて、法律相談の上で、弁護士がアドバイスするだけで終わりそうな内容だと思われたら「こうした方がいいですよ」とアドバイスするだけで終わりますし、弁護士が入らなければ紛争が解決しそうもないと思われたら、相談者と弁護士の間で委任契約を結ぶことになります。

弁護士が入る場合には、大きく分けて3つの場合があります。

1つ目は、弁護士の名前で紛争の相手方に内容証明を出すだけで終わる場合です。やはり一般の人は、弁護士が法律的な見地から「あなたの主張は成立しない。違法な行為である」と忠告すれば、ほとんどは諦めるものです。

2つ目は、何らかの行為を相手方に求める場合(損害賠償、賃料引き下げ、建築紛争など)です。この場合、実際にどういう行為をしてもらえるのかということを、相手方と詰めるために交渉しなければなりません。これを「交渉事件」といいます。

3つ目は、この交渉が決裂した場合、あるいははじめから交渉しても無駄と思われる事件について、裁判を起こす、あるいは起こされたという場合です。この時は、弁護士が訴訟代理人になるべく依頼を受けることになります。これを「訴訟事件」といいます。

皆さんの中には、この弁護士は何が専門なんだろう? こんな事件を相談しても専門外だからと断られるんではないだろうか?と、ためらわれることもあるでしょう。弁護士は医者と違って、基本的には法律が絡む問題であれば何でも対処できるように訓練されています。また、私たちのようないわゆる町弁(町医者的弁護士のこと)は、どんな小さなことでも、どんな大きなことでも、親身になって皆さまの相談にのることをモットーとしていますので、どうぞ、どんな事件でも構いませんから、相談に来てください。

ちなみに、当事務所で扱っている事件としては、本当に種々雑多なものがあり、交通事故、労働事件(不当解雇など)、建築紛争、不動産取引紛争、会社間の紛争 (従業員の引き抜きなど)、退職金請求、消費者問題、著作権、離婚、自己破産、遺産分割、遺言作成、会社整理、借地借家紛争、などさまざまです。

刑事事件(逮捕された)の場合

逮捕されて勾留されるまでの3日間は、家族といえども逮捕された人間とは会えないという扱いになっています。そのため、家族だからといってなぜ捕まったのか? 何か困ってることはないのか? ということを本人から聞き出すことすらできません。

また、警察は逮捕されて動揺している人間に対し、ここぞとばかりすべてを認めるよう、また、やってないことまで認めるよう、あの手この手を使って誘導をかけてきます。人間は不思議なもので、いくらやっていなくても、四六時中「やっただろう。やっただろう」と言われると、「やりました」と言ってしまいます。一度「自分がやりました」という調書をとられてしまうと、それを覆すのは至難の業です。

こういうことを防ぐためにも、身内が逮捕されたら、すぐに弁護士に相談してください。犯罪の内容にもよりますが、被害者に被害弁償をして許しをもらえれば、起訴されて裁判にならなくても済む場合もあります。これを「起訴猶予」といいます。

起訴するか否かはすべて検察官の権限ですので、弁護士は被害の回復と、被疑者の今後の更生のための準備をしたうえで、検察官と起訴しないように掛け合うことになります。これは、弁護士にしかできない仕事です。もし、起訴されずに済めば「前科」が付かなくて済むという大きなメリットもあります。

刑事事件(起訴された)場合

起訴されたからといって、必ずしも実刑になって刑務所へ行かなければならないということになるわけではありません。日本の刑法には、「執行猶予」という制度があります。

例えば、判決で「懲役1年6ヵ月。執行猶予3年」というものを見かけます。これは、「あなたの犯罪行為は、懲役1年6ヵ月に相当するものですが、3年の間、外で更生の機会を与えます。3年間、無事に犯罪行為に手を出さないで過ごすことができれば、懲役には行かなくても良いですよ。その代わり、3年間のうちに再び1年以上の懲役、または禁固に相当する犯罪行為に手を出したら、その時には必ず今回起こした犯罪に対する刑罰にあわせて、1年6ヵ月の間、刑務所へ行ってもらいますよ」というものです。

裁判所も、すべての人を形式的に刑務所へ送るわけではありません。この被告人(起訴されると、被疑者から被告人というように名前が変わります)は、刑務所へ行かずとも、社会内で十分更生できると判断すれば執行猶予の判決を出してくれるものです。そこで、弁護士としては、被告人が社会内で十分更生できると裁判官に思わせるための資料集め(身元引受人の確保、仕事場の確保など)をすることになるわけです。

刑事裁判の場合には、原則的に必ず弁護士をつけなければいけないことになっています。もし、起訴される前に弁護士を付けることをしなかった人でも、起訴された場合にはまだ間に合いますので、ぜひご相談ください。

少年事件(逮捕から家庭裁判所への送致前)

少年といえども、逮捕されてから最長3日間は、親族と接見できないことは、成人の場合と変わりありません。また、少年といえども、警察官や検察官による厳しい取り調べがあります。ただ、少年の場合には、少年の人権を考慮して、検察官がなるべく早い内に(最初の10日間の勾留期間内に)、すなわち勾留延長しないで家庭裁判所へ送致する運用が図られますので、かえって取り調べがきつくなったりすることもあります。

取り調べがきついということは、被害者の供述にあわせるべく、少年が実際にやったこと以上に犯罪を犯したかのように、供述の強要をさせられることが成人の場合よりも多くなることも事実です。そのため、逮捕されたことを知り次第、すぐに弁護人をつけるのがよいと思います。

ただ、少年の場合には、成人のように「起訴猶予」という制度がなく、すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります。家庭裁判所に送致される日に、裁判所は、少年を鑑別所に送るべきかを判断します。これを「観護措置」といいます。この判断の材料は、やはり警察官や検察官が取り調べた少年の供述調書が対象となりますので、少年に必要以上の不利な調書を取らせないよう、弁護人は活動をします。また、家庭裁判所に送致されるまでの間に、被害者との間で示談が整えば、観護措置を免れることもあります。

観護措置になると、すなわち少年鑑別所へ送られると、そこでは最大4週間身柄を拘束され(通常は、審判との関係があるため、3週間くらいの拘束)、少年の資質や性格、犯罪傾向などを専門家が調べることになります。少年鑑別所に入った経験のある人は、必ずしも鑑別所を悪く言うものでもありませんが、やはりその間、学校へ通うことができませんし、犯罪を犯したことが学校に分かってしまい、退学処分になることもありますし、せっかく見つけた仕事先も失うことになりかねません。少年の社会内での復帰を願うのであれば、少年鑑別所へは行かせないに越したことはありません。もし、観護措置になった場合には、このことによってかえって少年の更生の途が閉ざされるなどの不都合を裁判所に上申し、同時に「観護措置取消の申し立て」をして釈放してもらえることもあります。できるだけお早めに、弁護士へご相談ください。

*なお、東京には少年鑑別所が、練馬と八王子の2ヵ所にあります。
練馬:03-3931-1141(代表)
八王子:0426-25-9141(代表)

少年事件(逮捕から家庭裁判所への送致後)

家庭裁判所へ送致された少年は、観護措置になるか否かに拘わらず、少年審判を受けるのが通常です。

家庭裁判所調査官の役割

送致後は、家庭裁判所の調査官が、各少年に一人つきます。彼らは、少年や犯罪心理学のオーソリティであり、これらの少年をいかにすれば更生させることができるかという視点で、少年やその親族と面接をしたり、少年の在学する、あるいは卒業した小・中学校に、どのような少年であったのかを問い合わせるなどして、少年に関する情報を集めます。これらの資料をもとに、そもそも審判をするまでもない、ということになれば、その旨を審判官に意見し、審判不開始決定となることもあります。この場合には、そもそも審判は開かれないで事件は終了することになります。
審判をすべきとの判断に至った場合には、少年に対してどのような処分をするのが、更生の上で妥当なのか、という意見を審判官に申し述べることになります。

付添人の役割

一方、弁護士は、少年が家庭裁判所に送致された後は、「弁護人」から「付添人」と名前を変えて、少年の弁護にあたります。弁護士は心理学の専門家ではありませんので、犯罪の成否、情状などについて、弁護の中心となります。ただ、少年をいかにすれば更生できるかという視点は重要ですので、調査官と連絡をとりながら、共同して少年の更生のための弁護活動をしていくことになります。家族と力を合わせながら、少年の身元引受人を探したり、就職先を探したりと奮闘することになります。そのため、家族の協力が何よりも大切なのです。

少年鑑別所の役割

観護措置になった場合、少年は少年鑑別所で約3週間身柄を拘束されますが、この間少年は、鑑別技官という専門家のもとで、心理テストや毎日の日記の提出などの課題を出され、技官が少年の今後の更生について意見を出すことになります。

少年審判

凶悪な犯罪ではない限り、そのまま少年審判が開かれることになります。凶悪犯の場合には、成人と同じように刑事処分相当ということで、再び検察官に送致され、刑事裁判を受けることになるのです(これを「逆送」と言います)。少年審判は、刑事裁判と違って「非公開」ですので、傍聴席には関係者以外は入れません。少年の人権や将来の更生を考えて、秘密裡に審判が行われます。審判廷には、審判官、調査官、付添人、少年、少年の家族が入ることになり、審判官の主導の下に審判が開かれます。 審判の結果を言い渡される処分としては、主に「少年院送致」「保護観察」「試験観察」「不処分」の4つです。保護観察以下は、少年院へ行かなくても済む場合です。

少年院送致

長期・短期があり、その分かれ目は送致期間が6ヵ月を超えるか否かというところにあります。少年院送致が免れない場合、付添人としては少年の事情に応じて、短期になるよう弁護することになります。

保護観察

在宅と補導委託があり、在宅保護観察は、少年院送致の必要はないものの、社会の中で一人で更生させるのは難しいと判断される場合に、保護司をつけて、在宅で更生経過を観察するという処分です。補導委託保護観察は、少年の家などの施設に少年を預けて、そこで生活をさせながら、少年の更生経過を観察するという処分です。経過次第では、途中で在宅になることもあります。

試験観察

少年院送致の必要性が十分にあるものの、少年自体の反省や家族の協力体制などが整った場合に、試験的にある一定期間(6ヵ月くらい)、家庭裁判所の調査官のもとで、社会内での更生経過を観察させ、その間の経過次第で、少年院送致か保護観察か不処分かを再度審判を開いて決定するという処分です。

不処分

不処分とは、「非行事実なし」といういわゆる無罪の場合と、有罪ではあるが少年の資質や反省の度合い、家族などの環境とをあわせて考え、特に処分を必要としない場合の2種類があります。弁護士は、少年本人や家族の意見をもとに付添人としての意見をまとめ、その上で、調査官や審判官との面接で議論を重ねながら、少年にとって一番妥当な処分は何かを審判において主張することになります。